緑のなか、風にのって響く立原道造の詩 歴史ある合唱団が歌いあげる

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 詩人・立原道造の夏季特別展を開催中の軽井沢高原文庫は8月3日、立原の詩を合唱団が歌う催しを同文庫中庭で開いた。東京を中心に活動する結成42年の「平松混声合唱団」が立原の詩「優しき歌」より「爽やかな五月に」「さびしき野辺」「また昼に」など6曲を披露。夏の緑の中に、美しいハーモニーが響き渡った。

 歌唱前には、合唱団を指揮する平松剛一さんのトークも。かつて指揮した都立八潮高校合唱部は1981年、NHK全国学校音楽コンクールで「爽やかな五月に」を自由曲で歌い1位に。それから立原の曲が全国で歌い継がれるきっかけになったと振り返り「私の音楽人生にとっても、立原の『優しき歌』との出会いは大きな財産になった」。参加した町内の女性は「爽やかな風を運んでくるような歌声が気持ちよかった」と述べた。

 特別展では、立原道造記念会などから寄贈された関係資料などを中心に展示。下書き原稿や書簡、詩集に加え、パステル画、設計図なども約200点を展観。立原の建築家としての側面も紹介している。10月14日まで。

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