軽井沢別荘物語 第3章
軽井沢は日本を代表する別荘地と言われています。
明治時代に、外国人宣教師が1軒の別荘を建てたことから別荘地としての歴史が始まりました。それから125年以上を経た今、町全体が別荘地となり、どの道を行っても別荘へと続く・・・。
そこには軽井沢らしい風景が広がっています。
軽井沢の家づくり、ここが問題
自然と調和する軽井沢スタイル
自然素材にこだわること、風景に溶け込むようなデザインにすること、洋風を基本に和の良さを取り入れること、厳しい気候条件を配慮し安全で機能性が高いこと。これらは軽井沢の家を考えるときに共通するキーワード。それを基に、住む人の個性や趣味を取り入れていきます。こうした条件を満たした家を想像してみると、ヴォーリズやレーモンド、吉村順三設計の家に行き着きます。つまり、軽井沢には今でも先人たちが築いたスタイルが望ましく、新しい工夫があっても基本は常に変わらないということです。
見直される木の家
軽井沢に家を建てるなら、地元工務店にせよ、建築家にせよ、この土地を熟知している専門家を頼るのがおすすめ。専門家にも当然、さまざまな意見がありますが、軽井沢の特殊な気候風土はおのずと同じ見解を導き出すようです。ひと言で表すなら、自然素材にこだわった機能的で安全性の高い家。軽井沢スタイルの家は自然と調和するだけでなく、日々の暮らしを快適にする様式でもあるのです。
高気密・高断熱の落とし穴
厳寒期、零度になる軽井沢では高気密・高断熱が盛んに謳われています。今は確かにいろいろな新素材が出て性能も良くなっていますが、思わぬ弊害も。湿気の逃げ道がなくなってカビの原因になるばかりか、建物そのものにも負荷が生じ傷みやすくなるのです。湿度の高い軽井沢では湿気を取り込んで調節する『呼吸する家』が望ましいでしょう。板張り、漆喰、珪藻土などを用いるのが適しているのはデザイン的な理由だけではありません。天然素材にこだわると、多少コストがかかることもありますが、気持ちよく過ごせる上、家自体の耐用年数も長くなります。
外壁サイデイングには注意
新築やリフォームで最近増えている外壁サイディング張は工事材料費が安い印象が強く、一般住宅などで使用されることが多くみられます。しかし、サイディングはボード材質のため、メンテナンスを怠ると塗装面や目地の劣化が目立ち、建物の構造に大きな支障が出てくることがあります。見た目も都会的な模様が主流で、自然豊かな別荘地では廉価な印象は免れず、景観を損ねることになるかもしれません。軽井沢スタイルの家にしたいなら、周囲の景観に合う板張りで設計し、腐食が心配されるポイントにサイディングを張るなど、創意工夫が必要でしょう。
次章回は第4章「軽井沢で暮らすこと」を掲載します。
過去の記事はこちら 軽井沢別荘物語 第2章 軽井沢別荘物語 第1章
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理想郷を求めて「別荘地の誕生」/「あめりか屋建築」の橋口信助とは / 別荘地の誕生 / 座談会「別荘地・軽井沢の今を見つめ、未来を想う」/受け継がれる別荘ライフなど。
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