
この夏のメルシャン美術館では「ヨーロッパ美術史の変遷」と題し、
18世紀~19世紀のフランス絵画を中心に、宮廷絵画から
アールヌーボーまで3� に分かれて展示されています。

18日のオープンに先がけて行われたプレス内覧会では、
この展示会を監修した美術評論家の阿部信雄さんの説明があり、
とてもわかりやすく、楽しくて力強い熱弁に惹きこまれました。
まずは第1� 宮廷絵画。
この� �の絵画は、神話に登� �する人物も含め、
特別な人たち� け、美しいもの� けが描かれました。

第2� バルビゾン派とその周辺。
1830年代、コローの登� �により、自然そのままの風景というものが
初めて描かれるようになりました。
「今では当たり前ですけどね、その� �は当たり前ではなかったんですよ」と阿部さん。
それまでの絵画の風景は、神話や物語などの創られた世界の風景� ったんです。
個人的な話になりますが、私はコローの絵が好きで、
昨年、上野のコロー展も見に行ったほど。
特にこの絵の左隣にある「サン・ニコラ・レザラスの川辺」が気に入ってます。
(この写真には写っていなくてすみません)

この豪華な額縁の絵はミレーの絵。
水彩、パステル、クレヨンで描いた� 朴な絵なので、
この額縁は合わないような気もしますが、ミレーともなると、
� �が違うから、こうなるのでしょうか。
「これはミレーの長女。後ろにいるのはミレーの5男」と阿部さん。
ここにはミレーの子供たちが描かれています。
農民の現実的な日常生活を描くというのは画期的なことでした。
ミレーは高く評価され、絵画の新たな展望を開いたのです。

最後に阿部さんが紹介したのが、この華やかな絵。
第3� の「ヨーロッパ諸国の絵画」から、イタリアの画家、
ジョアッキーノ・パリエイの作品「夜会」です。
「19世紀のヨーロッパで流行した風俗画の典型的な作品です。
18世紀の貴族たちの生活や情景を、やや大げさに描いたもの」
というこの作品。見れば見るほどおもしろい。
中央に座る男がこの館の主と思われます。その横の地味な服装の男は弁護士� そう。
右には演奏する人と踊る貴族たち。
ちょうど、そこへ身分の高い婦人が入ってきたので、取り巻く紳士たち…
� 画の一� �面を見ているような面白さがあります。
先にカタログを買って、じっくり読んでから見ると、
今のようなことがわかって興味深いですね。
2階にはガレやドー� 兄弟のガラス芸術作品がありますが、
これまた、ジャポニズ� の影響を受け、日本の草花のモチーフを
取り入れているというから、おもしろい。
(M記者)