軽井沢別荘物語　第9回

愛宕山通り付近

　　聖パウロ教会の前の通りは
　　「水車の道」と呼ばれている。
　　昔、旧軽メインストリートから
　　この道に入ると水車があり、
　　堀辰雄著『美しい村』にも登場
　　するので、その名がつけられた。
　　この道沿いにも
　　古い趣のある別荘がある。

　　愛宕山通りに入って少し行くと、
　　二手に道が分かれる。
　　右は水源地へと続く道。
　　このまま真っすぐ行くと愛宕山の
　　参道へと続く。
　　道は浅間石の石垣の細い道。
　　苔庭が美しい別荘が点在する。

　　途中、左へ曲がり「鉄砲坂」
　　と呼ばれる道を行く。
　　急な坂道なので、大雨になると
　　雨水が鉄砲玉のように
　　流れ落ちるということで
　　この名前がついたのだろうか。

　　この辺り一帯は明治、大正の頃、
　　宣教師たちが別荘を持った場所。
　　これはスコットさんの別荘で、
　　今も健在。貴重な建物だ。
　　暖炉の煙突が土管でできている
　　のが古い別荘の特徴。