辻邦生さんの山荘 特別公開
2014年09月08日 11:51
作家の辻邦生さん(1925~99年)、西洋美術史家の辻佐保子さん(1930~2011年)夫妻の山荘が、9月6日に特別公開された。
同山荘は夫妻と親交があった建築家・磯崎新さんの設計により1976年に建てられた。昨年辻家の遺族が軽井沢高原文庫に寄贈し、9月と10月の二回に分け、試験的に一般公開することになった。
一般募集された参加者15名は、同館副館長の大藤敏行さんの説明で夫妻の書斎などを見学。山荘は3年前まで佐保子夫人によって使われており、現在もそのままの状態で保存してある。辻さんの書斎にある机の上には、書きかけの原稿などが残り、参加者は熱心に見入っていた。
滋賀県彦根から参加した小西さんは、「辻作品の大ファン。辻さんが執筆なさった空間に自分がいると思うと感無量」と感激した様子で感想を述べた。
大藤副館長は、「ここが辻文学のひとつの窓口になってくれれば」と話した。10月の見学会はすでに定員に達しており、来年以降の公開方法については検討中。