「子グマ、鳴いている?」冬 中のメスグマ11 、出産状況を調査
2013年02月13日 16:31
軽井沢町の委託でツキノワグマの管理を行うNPO法人ピッキオが、発信機を装着しているメスグマ11 の冬 所と、出産の有無の調査を進めている。クマとの共存に向け、三井物産環境基金より、約840万円の助成を受け実施している「QUMAプロジェクト」の一環。 クマの生息数の増減予測、生態把握に務め、保護管理につなげるのがねらい 。10 以上の発信機をつけた野生のメスグマを、追跡調査するのは全国的にも珍しいという。
クマは通常、12月中旬から樹洞や岩の下などで冬 し、妊 したメスは1月下旬から2月上旬に1~2 を出産する。活動を始める目安は、オスが3月下旬、子グマがいるメスは5月上~中旬。出産したかどうかは、冬 所の近くで子グマの鳴き声がするかどうかで判断する。生後1カ月を過ぎると、目や耳が発達し人の気配を敏感に察知して鳴かなくなるため、産後間もないこの時期の調査が最適 という。2月中に11 の調査を終える予定 。
2月8日、軽井沢町と接する群馬県の山中で行った2 目の調査は、ピッキオの田中純平さん、大嶋元さんの2人と、ボランティア3人が参 。クマの首に装着した発信機の電波をたよりに、木の 元の穴に冬 所を特定。クマを刺激させぬようゆっくり近づき、穴から約30mの位置で待機し20分ほど耳を澄ませたが、この日は、鳴き声を確認できなかった。
さらに、穴から約10mの位置の木の幹に、前を物体が動くと自動でシャッターを切るセンサーカメラを設置した。 クマが活動を始めてから、カメラを回収し、子グマを連れているかどうかを確実に調べる。田中さんは「繁殖率や死亡要 などを確実に調査し、このプロジェクトがクマの保護管理の礎になるようにしたい」と話していた。
「QUMAプロジェクト」では他に、オスグマにGPSをつけて移動範囲を調べたり、クマから採取した体毛のDNA鑑定で、生息数を推定する調査を行っている。