「白雪姫」や「赤ずきん」、絵本作家・牧野鈴子さんの原画60点
2012年06月23日 17:35
軽井沢絵本の森美術館は、絵本作家・牧野鈴子さんが描いた絵本の原画や絵画などを紹介する、夏の企画展「メルヘンを彩る世界~牧野鈴子のまなざし~」を開いている。「白雪姫」や「赤ずきん」、「シンデレラ」など、少女が登 する童話の絵本原画のほか、宮沢賢治ら日本の童話作品の原画など約60点を展示している。
「快楽の園」などで知られるオランダの画家・ボッスなど、中世の作品に影響を受けたという牧野さん。展示作品の中には、キャンバスボードにあらかじめ凹凸をつけ、中世の壁画のような古びた雰囲気を表現しているものもあり、その質感を作り出す方法についてもパネルで紹介している。
6月23日には、牧野さん本人が来館。欧米児童文学 究者で、同館名誉館長の吉田新一さんと対談する「えほんサロン」があり、40人ほどが訪れた。吉田さんは「森のクリスマスツリー」「マッチ売りのしょうじょ」など、牧野さんが手掛けた絵本作品をスライドで紹介。「作品ごとに、様々な画法を使い分けていて、テクニックの幅が広い」と話すと、牧野さんは「私は与えられた文 に触発されて描くタイプ。デッサンを何枚も描いてキャラクターをかためていくので、表現方法が作品ごとにかわってくる」と応じていた。
企画展は10月1日まで。入館料:大人900円、中高生500円。TEL0267-48-3340
(写真左上:牧野鈴子画「赤ずきん」(c)1988 Suzuko Makino、右下:「えほんサロン」で語る牧野鈴子さん)