県主催の放射能の説明会「手洗い、うがい大事」専門家が講演
2011年12月28日 14:17
長野県は12月27日、放射能に関する住民説明会を軽井沢町中央公民館で開き、町内外より約130人が聴講に訪れた。福島第一原子力発電所事故を受け国が9~10月に実施した、航空機によるモニタリング調査で、軽井沢町を含む県東部地域に放射性セシウ の沈着が確認されたことことから初めて開催。県立こども病院副院長の中村友彦さんが講演し、県の担当職員が原発事故後の取り組みなどについて説明した。
中村さんは小児科医の立 から、放射線が子どもの健康に与える影響について講演。放射性物質が付いた落ち葉や などを子どもが触ってそのままでいると、内部被ばくにつながる可能性があるとし、「家に帰ったらまず、手洗いとうがいをすることが大切」と呼びかけた。
また厚生労働省は2012年4月より、放射性セシウ の規制値を一般食品は1kgあたり100ベクレル、飲料水は同10ベクレルと厳しくするが、中村さんは「規制値以下であっても、身体にどう影響するかは誰にもわからない。不検出なものを選ぶのに越したことはない。スーパーで売っている生鮮食品には、産地のほか放射性セシウ の測定結果も表示すべきでは」と提案した。
続いて県の担当者が原発事故後に行った取り組みや今後の対応について説明。県内指定箇所の空間放射線量や水道水の調査などを継続的に実施し、来年1月より専門機器を一台導入し、食品検査を重点的に行っていくことを 告した。
最後の意見交換では住民から県に対し「学 給食の線量を毎日計測できるような仕組み」や「空間 けでなく、町内の土壌、水道の入念な調査」、「柏崎刈羽原子力発電所など近隣で原発事故があった 合の対応計画の策定」を望む声が挙がっていた。
参 した中軽井沢の女性は説明会後、「軽井沢町は4月に観光安全宣言をしている。観光客に安心して訪れてもらうためにも、独自に水や空気、食べ物を調査し、より詳細なデータを示す必要があるのでは」と話していた。