元ソニー社長・大賀典雄さん偲ぶ 馴染み深い『第9』で追悼
2011年08月17日 11:55
軽井沢町と財団法人軽井沢大賀ホールは8月13・14日、元ソニー社長で4月に81歳で亡くなった大賀典雄さんの追悼コンサートを同ホールで開いた。大賀さんと親交があったロンドン交響楽団首席客演指揮者のダニエル・ハーディングさんが指揮し、大賀さんが会長・理事長を務めた東京フィルハーモニー交響楽団が、ベートーヴェンの交響曲第9番などを演奏した。
8月13日の公演前に開かれた記者会見にはハーディングさんのほか、東フィルの石丸恭一専務理事、藤巻進軽井沢町長が出席。ハーディングさんは2005年、大賀さんが軽井沢にホールを作ったことを聞きつけ、同ホールの視察を目的に来日している。「大賀さんは人を惹き付けるカリスマ性と先を見通す力がある、まさに伝説の人。初めて訪れた日からこのホールで演奏することを夢見ていた。今回ようやくその夢が叶うことになったが、この に大賀さんがいない寂しさは拭えない」とコメントを寄せた。
ソニー社長 った大賀さんが、一枚で『第9』が全曲収録できるようにとCDの録音時間を75分にしたという逸話もあり、「『第9』は大賀さんにとって一番思い入れの深いシンフォニー」と石丸さん。また、藤巻町長は「大賀さんの気持ちを受け継ぎ、ホールを中心として更なる軽井沢の音楽文化の高揚をはかっていきたい」と述べていた。
コンサートには東フィルや東京オペラシンガーズなどが出演し、『第9』のほかバッハの『アリア』を演奏。座席を埋め尽くした観客の拍手は、演奏が終わってもしばらく鳴り止むことはなかった。