町長選挙立候補予定者3氏が政策語る 公開討論会に住民ら約350人
2011年01月15日 00:26
1月18日告示、23日投開票の軽井沢町長選挙を前に、成城大学法学部准教授で軽井沢在住の打越綾子さんが1月14日、立候補予定者の主張を聞く公開討論会を町中央公民館で開き、約350人が聴講に訪れた。立候補を表明しているのは、いずれも新人で前町議の大浦洋介さん、前軽井沢観光協会長の藤巻進さん、前町議の上原清隆さんの3人(講演 )。第一部では重要視する政策などを15分ずつ講演。第二部ではこの日の司会も務めた打越さんが準備した2つの質問と、参 者からアンケートで挙がった質問にそれぞれが回答した。
講演の概要については以下の通り。
「多額の税金を使う中軽井沢駅周辺事業は必要ない。今回の町長選挙でその是非を問うことができると考えた。軽井沢が抱える一番の課題は、都市化し軽井沢らしさが失われていること。軽井沢のシンボリックな存在である緑と別荘地の景観の再生、箱物よりも高齢者や子供たちへの支援に力を注ぎたい」(大浦さん)
「軽井沢の人口が増えていく中で、まず重要なのは知恵を投入し50年、100年後も耐えられる将来構想を作ること。軽井沢は別荘地でもあるが、観光のまちでもある。滞在型リゾートとしての魅力的なまちづくりを進める。中軽井沢駅周辺事業は実施する。駅 けでなく周辺の資源も投入して活性化に繋げたい」(藤巻さん)
「信念は住民と行政の信 関係を築くこと。中軽井沢駅に図書館を作る計画は白紙に戻し、広く意見を聞いて再検討する。 福祉の 本は人づくり。町独自の後見人を育てる制度を作るなど、介護保険で対応できない事業を展開する。数値による景観規制ではなく、住民の意識を高め地域に応じた景観づくりを進める」(上原さん)
また会 から挙がった「軽井沢が自慢できるものを一つ選ぶとしたら何か」の質問にはそれぞれ、「100年の風雪に耐え、町内外から評価を受けている『別荘地』」(大浦さん)。「自然を守り、軽井沢の歴史を作って来た『人』に尽きる」(藤巻さん)。「別荘地を守るのに厳しい規制を強いてきた『先人の努力』」(上原さん)と回答。
そして「30年後の軽井沢はどのような街になっているか」の質問に対するそれぞれの回答は、「65歳以上の高齢者の割合が増えることは今から予想できる。彼らの支援体制を構築し、軽井沢の高齢者で良かったと思われるまち」(大浦さん)。「30年後に価値が生まれるものを育てるため、今種を蒔いておくことが必要。子供たちの目が爛々と輝き元気な声が響き渡っているまち」(藤巻さん)。「住民と行政がお互い信 関係を持って、まちづくりをみんなで目指すまち。豊富な自然が守られ、住民はいきいきと暮らしている」(上原さん)。
打越さんは最後の挨拶で「選挙は勝ち けよりも、議論の土壌を作っていくプロセス作りが大事。町長選挙後は、3人の候補者が一緒に町づくりに関わっていけるような雰囲気ができればいいと思う」と めくくった。