軽井沢ウェブ by 軽井沢新聞社

軽井沢新聞社Presents 軽井沢発の総合情報サイト「軽井沢ウェブ」

メニュー

西欧美術史の変遷

2009年07月19日 10:21

P1060036.JPG

この夏のメルシャン美術館では「ヨーロッパ美術史の変遷」と題し、

18世紀~19世紀のフランス絵画を中心に、宮廷絵画から

アールヌーボーまで3 に分かれて展示されています。

P1060041.JPG

18日のオープンに先がけて行われたプレス内覧会では、

この展示会を監修した美術評論家の阿部信雄さんの説明があり、

とてもわかりやすく、楽しくて力強い熱弁に惹きこまれました。

まずは第1 宮廷絵画。

この の絵画は、神話に登 する人物も含め、

特別な人たち け、美しいもの けが描かれました。

P1060044.JPG

第2  バルビゾン派とその周辺。

1830年代、コローの登 により、自然そのままの風景というものが

初めて描かれるようになりました。

「今では当たり前ですけどね、その は当たり前ではなかったんですよ」と阿部さん。

それまでの絵画の風景は、神話や物語などの創られた世界の風景 ったんです。

個人的な話になりますが、私はコローの絵が好きで、

昨年、上野のコロー展も見に行ったほど。

特にこの絵の左隣にある「サン・ニコラ・レザラスの川辺」が気に入ってます。

(この写真には写っていなくてすみません)

P1060048.JPG

この豪華な額縁の絵はミレーの絵。

水彩、パステル、クレヨンで描いた 朴な絵なので、

この額縁は合わないような気もしますが、ミレーともなると、

が違うから、こうなるのでしょうか。

「これはミレーの長女。後ろにいるのはミレーの5男」と阿部さん。

ここにはミレーの子供たちが描かれています。

農民の現実的な日常生活を描くというのは画期的なことでした。

ミレーは高く評価され、絵画の新たな展望を開いたのです。

P1060054.JPG

最後に阿部さんが紹介したのが、この華やかな絵。

第3 の「ヨーロッパ諸国の絵画」から、イタリアの画家、

ジョアッキーノ・パリエイの作品「夜会」です。

「19世紀のヨーロッパで流行した風俗画の典型的な作品です。

18世紀の貴族たちの生活や情景を、やや大げさに描いたもの」

というこの作品。見れば見るほどおもしろい。

中央に座る男がこの館の主と思われます。その横の地味な服装の男は弁護士 そう。

右には演奏する人と踊る貴族たち。

ちょうど、そこへ身分の高い婦人が入ってきたので、取り巻く紳士たち…

画の一 面を見ているような面白さがあります。

先にカタログを買って、じっくり読んでから見ると、

今のようなことがわかって興味深いですね。

2階にはガレやドー 兄弟のガラス芸術作品がありますが、

これまた、ジャポニズ の影響を受け、日本の草花のモチーフを

取り入れているというから、おもしろい。

(M記者)

アーカイブ